みなさんこんにちは、
久しぶりですが、今回もレッスン事例を紹介していきます。
さて当教室の最近は、
春先に多い体験レッスンお問い合わせの対応や、
発表会や、合宿や演奏会など大きなイベントの計画で、
ちょっぴり忙しい日々です。
大切な生徒さんの成長のため、と思うと頑張れます。
先日も、久しぶりに発表会に出た、という生徒さんから、「発表会っていいですね、これからも挑戦します」という声を聞けました。
発表会へ出演するかどうか決める時、完璧を求めすぎて先延ばしにしていると、自分の中でどんどんハードルが高くなってしまいます。
でも一度出てしまえば、(いい意味で)たいしたことないですよね。
本番に成功したって、失敗したって、
目標に向かって頑張った日々と、ステージ独特の緊張感と達成感はかけがえのないものになるはず。
演奏は本来誰かに届けるためのもの、その醍醐味を肌で感じてほしいです。
当教室、サロンでは、レベルにかかわらず、本番の舞台を踏んでもらいやすいよう工夫しています。
特にアンサンブルするのが好きな方、新メンバーをみんながお待ちしてます。
勉強会、合宿は外部からの参加も受け付けていますので、いきなりの参加も大丈夫です。
さて、レッスン事例は、
アルテの教則本から、ある一つの練習を取り上げます。
レッスン13のNo.6から、バリエーション1です。
まだアルテをやったことのない方も、是非この先を読んでみて下さいね。
教本/フルート アルテ フルート教則本 第1巻(全3巻) 比田井洵編著
価格:3,850円(税込、送料別) (2023/5/27時点)
「アルテ」(「アルテス」)は、世界中で愛用される、非常に優れた教本です。
(ジャパンフルートクラブ版では)全3巻ですが、最初の1巻は初心者から使え※、最後の3巻は音大生が取り組むほど、幅広い内容です。 ※初めての方にはアルテに入る前に他の教本を勧めることもあります。
ほとんどの練習が先生と二重奏できるようになっており、一人の練習では叶わない、ハーモニー感やリズム感を養うのにも最適です。 勘の良い人なら、二重奏する過程で息遣いや音色もよくなり、同時に曲の様式も理解していってしまうでしょう。
版によって多くの違いがあるので、自身の先生と相談して購入して下さい。
さて、このアルテ、
「あるページから突然難しくなった!」
と感じる人も少なくないようです。
はい、その通りです!
アルテは、ある意味、不親切です。(!)
だって、あんな僅かな厚みのページ数で、考えられるすべてのパターンの習得を目指しているような本なので、
進度がゆるやかな訳がありません。
直前のページとは、全く違う発想やテクニックを求められることがしばしば。
アルテは、生徒にとってレッスンの必要性を気付かせてくれる存在かもしれません。
自分でやってみるだけでは、大抵どこかでつまずきます。
つまずいていることに気づかずに先に進めてしまうと、似たパターンの潜んでいる曲で再びつまずきます。
その「つまずきポイント」の一つを発見したのでご紹介します。
レッスン13のNo.6から、バリエーション1です。
先週2人の生徒さんが偶然同じところをレッスンに持ってきましたが、
全く同じことを注意しました。
オレンジ色で囲ったところは「アウフタクト」です!!
次の小節につながっていくように、テヌートで奏されるべきです。
(「アウフタクト」というワードがピンと来ない方は、ネットで検索してみて下さい。
ここでは実践的な解決方法を紹介していきます。譜例付。)
解決方法①
ブレスの位置を守る
アウフタクトは必ず次の小節のメロディにつながっていきます。
ブレス(息継ぎ)を「’」カンママークの位置でとらず、3拍目の低い音の後で取っていませんか?
カンママークは「音楽的な切れ目」を意味します。 多くの回数ブレスが必要なフルートでは、当然ブレスを取る位置として好ましいというわけです。
まずはブレスの位置を守ってみて下さい。
解決方法②
アポジャトゥーラを意識する
カンママークのある小節の最初の音
(例えば2小節目ならラ、4小節目ならファ♯)
は、 「アポジャトゥーラ」です。
略:ap、日本語:倚音(いおん)
apとは、和音(ハーモニー)外の音、つまりわざとハモらない音を使って、旋律に表情を与える要素です。
特別な音なので、他の音よりも息を入れ、強調して演奏します。
その次の音
(例えば2小節目ならソ、4小節目ならミ)
は和音の中の音(ハモる音)なので、強調する必要はなく、音量的には小さく演奏します。
ハモっていなかった状態から、ハモる状態に移っていくこと等を「解決」といいますが、
倚音→解決 の最中は、上述のことを守ると、
自然とデクレシェンドになります。
そうすると、すぐ後に控えている音は自然と新しい気持ちで息を入れて始められるので、アウフタクトらしくなります。
解決方法③
曲の頭にアウフタクトをつけてみる
9小節目では、冒頭と全く同じメロディが現れます(同じ形が繰り返されます)が、
繰り返す時には「ラ」の音のアウフタクトがついています。
冒頭にも同じ形で「ラ」の四分音符をつけてみましょう。
そうすれば良い流れに乗って、2小節目以降も同様にアウフタクトをアウフタクトらしく演奏できるでしょう。
…いかがですか?
実際に①〜③の練習をしてみて、
以前たくさん練習したはずの同じメロディが違った雰囲気に聞こえてきたら、きっとできているはず。
アウフタクト、アポジャトゥーラ(倚音)などの専門用語が登場したり、和声的なこと、構造的なことを理解するよう求められると、
人によっては難しく感じて体が固くなってしまうことがありますよね。
実際のレッスンでは、より実践的に、感覚的に理解してもらうようにしています。 もちろんお手本つき。
体でも覚えないと定着しないし、今後応用もできないですからね。
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