レッスン事例no.4「パルティータよりサラバンド(バッハ)」

今回取り上げさせていただく生徒さんは、最近バッハにハマっている〇〇さん(男性・大人)

バッハのソナタを全曲さらいつつ、CDも沢山聴いて、関連本も読んで…と、大変勤勉なお方!

 

今回のレッスンに持ってきてくれたのはパルティータよりサラバンド。

パルティータは、バッハが唯一フルートソロ(完全なソロ…鍵盤楽器の伴奏がない編成)のために残した作品で、みんなこぞって親しむ曲です。

 

〇〇さん、自身が海外で元プロのギタリストだったこともあって、音楽的知識がグローバルな方向へ富んでいます。

サラバンドについても、その発祥や、派生した別の音楽について、教えていただくという一幕もありました!ありがとうございます!

ちなみに、当教室のレッスンや(統合前の)発表会には、ご自身が現ピアニスト兼ピアノの先生、という方や、他に2つの楽器を習っている三刀流の方などにも来ていただいています。

 

そういうバックグラウンドをこちらも把握していると、アドバイスする時のアプローチの仕方が変わってきて、

「〇〇さんの得意なもう一方の楽器では、こういう場面ではどうやるんですか?」と聞いてから、

「…ということは、この部分が相違点なので、こんな感覚でやるといいのでは」と、具体的にアドバイスすることもあります。

 

 

今回サラバンドのレッスンでは、僅か1つか2つの音に結構、時間をかけました(バッハやモーツァルトなど大作曲家の作品のレッスンは、1小節で1時間終わった…とかってよくある話です)。

該当の音に入った瞬間に安心して力が抜けてしまい、フレーズが途切れてしまう(他の部分に影響を及ぼす)状態だったので、

音を延ばす間、エネルギーをキープし続けるよう、アドバイスしました。

 

具体的に言い換えれば、「(長さのある)音を減衰させず、同じ大きさで(もしくは微かに大きくしながら)保ちましょう」というアドバイスです。

細かい、どうでもいいことと思われるかもしれませんが、

特にサラバンドのようなゆっくりなテンポの曲では、こういう「音の処理」一つ一つが目立ちます。

 

実はこの課題は、フルート独自の弱点が起因しているとも言えるようなものです。

ですので上述のように多様な音楽経験がある生徒さん方も、結構苦手な部分です。

 

吹奏楽器のうち、特にフルート、またオカリナやリコーダーというのは、吹く時に”抵抗感がない”楽器なので簡単に発音できる反面(…長くなるので別の機会に詳しくお話します。)、よほど気をつけていないとすぐに、音が「だれて」しまうんです。

そのため、普段の練習から、音をキープするよう気をつけることが大事。

 

でもでも、

他の楽器の経験がある生徒さんは、「練習のやり方」を心得ている方が多く、一言アドバイスしただけで、次のレッスンまでに猛練習してきてくださいます。

きっと、ちょこっと注意されたことでも、しっかりと問題視して受け止めてくれるんだと思います。

 

どんな風に変化しているか、次のレッスンが楽しみです。

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