ジュニアコンクールについて

先日第42回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール、

埼玉予選と東京予選の管楽器部門と弦楽器部門を審査してきました。

ということで、ちょっとコンクールのお話をしようと思います。

コンクールのコロナ対策

ちなみに今回埼玉の方の会場では管楽器の参加者が大変少なかったようです。

コロナ禍ではどんなイベントも大変な状況にありますね…

多くのコンクールでのコロナ対策は、

当日入口で検温を実施したり、

控室を密にならないようにするのはもちろんのこと、

入場者を制限(本人だけ、もしくは家族など関係者だけ)しているところが多いです。

舞台袖には、通常時も待機用のパイプ椅子がいくつも並べられるものですが、

距離を取れるよう、いつもより椅子の数が増えています。

いざ本番では、フルートは当然マスクをつけたままでは吹けないので、舞台袖で外してからステージへ出ていきます。

(大抵、ピアニストはマスクをつけたまま弾くか、外して弾くか、委ねられます。)

体の向きと距離、空間の広さを考えても、本番中の共演者間での感染リスクは低いでしょう。

対策の鍵になるのは控室などの動線と観客席の扱いのようです。

コロナ拡大初期は、どのコンクールでも中止や延期が相次ぎましたが、今は上のような対策を講じながら、多くのコンクールが開催されています。

コンクールは研鑽に繋がる貴重な機会でもあるので、安全に運営され一つ一つの日程が無事に終了するだけで、大変な価値があると思います!

参加者の手元には講評が残る

さて、今回のコンクールでは、出場者は審査員からの講評を受け取ることができます。(コンクールによっては、講評を一切貰えないこともあります。)

ココでいう講評とは、審査員が審査中に書き留める感想やアドバイスです。

ちなみに、真剣に聴きながら書いているものなので、(解読するのが大変なほどの)乱筆?達筆?な講評も、よく見かけます。

特に、次のような心情で本番を終えた人に、客観的で的確な審査員の先生方の指摘が役に立つはず。

「本番中は夢中であっという間だった!」

「ミスしたかもしれないけど緊張していて覚えてない!」

「とにかく早く終われと思った…」

演奏真っ最中って、心身共に極限状態。

家に帰って改めて講評を読んではじめて、

悔しい思いをしたり、

思いもよらない指摘に妙に納得したり、

褒められて喜んだり…

大抵、自身の先生にも共有して、一緒に今後の練習の計画を立てるのではないでしょうか。

何人もの先生に同時に演奏を聴いてもらえる機会は、多くありません。(コンクールか、音高、音大の試験くらいですね)

多角的な視点で分析してもらえる、貴重な機会。

(辛口の講評も含めて)内容をしっかり受け止めることが大事です。

講評に書けないこと?

講評の内容は、技術的な観点と、芸術的な観点の二つに大別することができると思います。

しかし…

そのどちらにも属さない評価、それが、、、

ステージマナー、それから選曲!

この二つ、講評に書き残してくれる先生って少ないです。(たぶん。)

前者はセンシティブな問題、後者は本人に指摘するのではなく、できれば指導者に先に伝えたい、ちょっと複雑な問題だからです。

ステージマナーについては、自分のついている先生や、学校の音楽の先生も、勿論良いアドバイスをくれると思いますが、

実際に演奏中見守ってくれていたご家族に聞くのが一番早いでしょう。

(音楽が専門じゃない)親御さんは、愛する我が子の晴れ舞台、文字通り大事なイベントとして捉えているので、

演奏の内容だけでなく、

ステージに上がった時の姿勢や歩き方から、表情の一つ一つまで、しっかりと記憶してくれています。

まあ、審査員自身も数々のプレッシャーのあるステージを経験してきているので、ちょっと変な挙動を見つけたからといって、減点にはしないでしょう。

でも!

表情には自信が溢れ、聴衆にお辞儀ができ、全身の細胞が音楽に傾けられている、まだ小さくも立派な「音楽家」の雰囲気を感じ取れば、

審査員も余計に興味を持って聴こうとするのではないでしょうか。

(もちろん、態度だけ立派で演奏がお粗末では良い点数はつきませんが!)

そして選曲、これまた難しい問題ですね。

ナンセンスな選曲には、いくつかのパターンがありますが、

特に、その子にとって背伸びした難しい(技術的に、はたまた内容的に難しい)曲を演奏された場合。

まずは、その指導者に「なぜこの曲を演奏させたのか」と問いたくなるところです。

曲の本当の姿を知っている審査員からすると、よく吹けていない所を見逃すことはできません。

難曲に一生懸命に食らいついている程度では、コンクールではダメです。

「もっと違う曲を吹いてくれたらね」と言われてしまう。

でも、わかります。

特にジュニアはモチベーションも千差万別なので、

ステップアップの為や、生徒自身の好みが狭い(こだわりが強い)ことで、

コンクール向きの曲を選べないこともありますよね。

もし勝ち上がりたいと思うなら、選曲は計画的に、信頼できる先生に相談するのがベターです。

まとめ

コンクールは、準備と出演自体が良い経験になります。

でも結果を出し、ついでに成功体験を積めるに越したことはありません。

先述の”選曲“一つとっても、コツがあります。

せっかく出場するのなら、慣れている先生によくアドバイスしてもらい、是非勝ち進んでくださいね。

学校の枠組み以外の場所で、”個人”を試す機会って多くないと思うのですが、

ジュニアコンクール(ジュニア部門、中学生部門、高校生部門など)では特に、技術面を評価される傾向にあるため、

(…芸術的な面(表現)はみんなまだ発展途上で、評価に反映させにくいため。)

練習の量など、日々の努力の如何が結果に直結します!

日常がパッとしない小中高生のみなさん、

お子さまの精神的な成長を望まれる親御さん、

コンクール、オススメです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました