先日は、高校で音楽コースへ通う生徒さんのもとへ出張レッスン。
ケーラーの6番が定期試験の課題だということで、1曲を120分間みっちりやりました。
塾などで忙しいらしく、初めて6番のレッスンをするのが、なんと試験の2日前!
いつもながら、こちらも超真剣です。
普段高校の専攻楽器の授業としてフルートの先生にレッスンを受けているので、一応形にはなっていました。
そこから更に良くするため、ここには到底書ききれない量のアドバイスをしました。
…本番直前のレッスンは、本来は大変気を使います。
(本当はもう少し前にレッスンに来てくれるのが理想ですが、生徒さんの都合次第なので今回のように難しいこともありますね)
本来はアドバイスする事柄をできるだけ絞って、本番への調整の余力を残しておいてもらいます。
自信を失った状態で本番に臨んだり、注意事項で頭がいっぱいになることで、伸びやかな演奏ができなくなってしまうのが心配だからです。
成功体験を積んでもらうことも大事ですし。
でも、まだまだ先のある若い生徒さんには特に、安定した奏法と最低限の表現を確実に身につけてほしいので、貴重なレッスンの機会に多くのヒントを散りばめます。
さて、ケーラー1巻の6番、オクターブの跳躍が印象的な(難しい)メロディーを「deciso(決然と)」で吹くわけなので、気が抜けません。
もし一つだけ挙げるなら、1番の課題は跳躍のテクニックでしょう。
その点については生徒さんは上手だったので、他の側面をチェックしました。
この曲のもう一つの大きな特徴として、前半はすべてのフレーズが2拍目から始まる、ということが挙げられます。
2拍目で始まるということは、1拍目で終わるということ。
たいてい1拍目にある解決音やフレーズの最後の音は、不自然に「押し」てしまったり、粗雑になってしまうことが多いです。
綺麗に「おさめる」ことが必要です。
それから、中間の明るい部分では、半音階を用いた運指の多少難しい箇所があるので、しっかり練習する必要があります。
Piu mossoでは、クライマックスとして、どんどん切迫していくフレージングも印象的です。
速いテンポでも崩れないフィンガリングや、アクセントやテヌートを瞬間的に入れられることも必要。
…こんな具合で曲についてのアドバイスと、それを実現するのに不足している基礎力を高めるためのエクササイズをして、あっという間にレッスンは終わりました。
試験うまくいったかな?
余談ですが、レッスン会場が広く声が響かないところなので、つい声を張ってしまい喉が痛いです。
感染対策のためにも、喉を傷めてはいけませんよね。
講師として声の出し方も、もっともっと勉強しなくては…
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